釈迢空

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釈迢空

釈迢空(1887年2月11日-1953年9月3日)[編集]

しゃく ちょうくう。本名は折口信夫(おりくち しのぶ)。日本文学研究者・民俗学者・詩人・作家・劇作家。

出典が明らかなもの[編集]

  • 葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり
  • 蜑の子や あかきそびらの盛り肉の、もり膨れつゝ、舟漕ぎにけり
  • 麦うらしの声 ひさしくなきつげり。ひとつところの、をぐらくなれり
  • たたかひに 果てし我が子を かへせとぞ 言ふべきときと なりやしぬらむ
    • 『海やまのあひだ』1925年
  • なき人の今日は七日になりぬらむ 遇ふ人もあふ人もみな旅びと
  • 歳深き山の かそけさ。人をりて、まれにもの言ふ 聲きこえつゝ
    • 『春のことぶれ』1930年
  • 生きて我還らざらむと うたひつゝ 兵を送りて 家に入りたり
  • 桜の後(のち)風荒れすぎぬ山なかは 真日ひそけくて、霜崩えの音
    • 『遠やまひこ』1948年
  • 彼の人の眠りは、徐かに覚めて行った。まっ黒い夜の中に、更に冷え圧するものの澱んでいるなかに、目のあいて来るのを、覚えたのである。
    した した した。耳に伝うように来るのは、水の垂れる音か。
    • 折口信夫『死者の書』1939年

釈迢空に帰せられるもの[編集]

  • きさらぎのはつかのふかし。まだ生きてはたたかふらむか
  • 耶蘇誕生会の宵に こぞり来る魔(モノ)の声。少くも猫はわが腓(コブラ)吸ふ
  • 基督の 真はだかにして血の肌(ハダヘ) 見つゝわらへり。雪の中より
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