「松尾芭蕉」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
218.225.111.205 (会話) の 15666 版の編集を取り消し |
Marine-Blue (トーク | 投稿記録) 細 無駄な空行除去、ついでに画像追加 |
||
1 行 | 1 行 | ||
==[[w:松尾芭蕉|松尾芭蕉]]== |
==[[w:松尾芭蕉|松尾芭蕉]]== |
||
[[File:MatsuoBashoChusonji.jpg|松尾芭蕉]] |
|||
まつお ばしょう。自筆署名では「はせを」と表記する。江戸時代の俳人。俳聖と称される。 |
まつお ばしょう。自筆署名では「はせを」と表記する。江戸時代の俳人。俳聖と称される。 |
||
===出典の明確なもの=== |
===出典の明確なもの=== |
||
==== [[w:奥の細道|奥の細道]] ==== |
==== [[w:奥の細道|奥の細道]] ==== |
||
*あかあかと日はつれなくも秋の風 |
*あかあかと日はつれなくも秋の風 |
||
*荒海や[[佐渡]]によこたふ[[天の川|天河]] |
*荒海や[[佐渡]]によこたふ[[天の川|天河]] |
||
*あらたふと[[青葉]]若葉の[[日光|日の光]] |
*あらたふと[[青葉]]若葉の[[日光|日の光]] |
||
*石山の石より白し秋の風 |
*石山の石より白し秋の風 |
||
*一家に遊女も寢たり萩と[[月]] |
*一家に遊女も寢たり萩と[[月]] |
||
*[[雲]]の峰幾つ崩て[[月]]の山 |
*[[雲]]の峰幾つ崩て[[月]]の山 |
||
*[[w:五月雨|五月雨]]をあつめて早し[[w:最上川|最上川]](もがみがは) |
*[[w:五月雨|五月雨]]をあつめて早し[[w:最上川|最上川]](もがみがは) |
||
*象潟や雨に西施がねぶの花 |
*象潟や雨に西施がねぶの花 |
||
*草の戸も住み替わる代ぞ雛の家 |
*草の戸も住み替わる代ぞ雛の家 |
||
*五月雨の降り残してや光堂 |
*五月雨の降り残してや光堂 |
||
*山中や[[菊]]はたおらぬ湯の匂 |
*山中や[[菊]]はたおらぬ湯の匂 |
||
*閑さや[[岩]]にしみ入[[蝉]]の聲 |
*閑さや[[岩]]にしみ入[[蝉]]の聲 |
||
*曾良は腹を病て、[[伊勢]]の國長嶋と云所にゆかりあれば、先立て行に、 |
*曾良は腹を病て、[[伊勢]]の國長嶋と云所にゆかりあれば、先立て行に、 |
||
::行き行きてたふれ伏とも[[萩]]の原 [[曾良]] |
::行き行きてたふれ伏とも[[萩]]の原 [[曾良]] |
||
:と書置たり。行ものゝ悲しみ、残るものゝうらみ、隻鳧のわかれて[[雲]]にまよふがごとし。予も又、 |
:と書置たり。行ものゝ悲しみ、残るものゝうらみ、隻鳧のわかれて[[雲]]にまよふがごとし。予も又、 |
||
::今日よりや書付消さん笠の[[露]] |
::今日よりや書付消さん笠の[[露]] |
||
*月日は百代の過客にして行きかふひともまた旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋江上の破屋に蜘の古巣をはらひて、やゝ年も暮、春立る霞の空に白川の関こえんと、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず。もゝ引の破をつゞり、笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、松島の月先心にかゝりて、住る方は人に譲り、杉風が別墅に移るに、 |
*月日は百代の過客にして行きかふひともまた旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋江上の破屋に蜘の古巣をはらひて、やゝ年も暮、春立る霞の空に白川の関こえんと、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず。もゝ引の破をつゞり、笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、松島の月先心にかゝりて、住る方は人に譲り、杉風が別墅に移るに、 |
||
::草の戸も住み替はる代(よ)ぞひなの家 |
::草の戸も住み替はる代(よ)ぞひなの家 |
||
:面八句を庵の柱に懸置。 |
:面八句を庵の柱に懸置。 |
||
*[[啄木]]も庵はやぶらず夏木立 |
*[[啄木]]も庵はやぶらず夏木立 |
||
*[[田]]一枚植て立去る[[柳]]かな |
*[[田]]一枚植て立去る[[柳]]かな |
||
*塚も動けわが泣く声は秋の声 |
*塚も動けわが泣く声は秋の声 |
||
*長月六日になれば、[[伊勢]]の遷宮おがまんと、又舟にのりて、 |
*長月六日になれば、[[伊勢]]の遷宮おがまんと、又舟にのりて、 |
||
::[[蛤]]のふたみにわかれ行秋ぞ |
::[[蛤]]のふたみにわかれ行秋ぞ |
||
*夏草や兵(つはもの)どもが[[夢]]のあと |
*夏草や兵(つはもの)どもが[[夢]]のあと |
||
*蚤しらみ馬の尿する枕元 |
*蚤しらみ馬の尿する枕元 |
||
*[[松島]]は笑ふが如く、[[w:象潟|象潟]]はうらむがごとし。寂しさに悲しみをくはえて、地勢魂をなやますに似たり。 |
*[[松島]]は笑ふが如く、[[w:象潟|象潟]]はうらむがごとし。寂しさに悲しみをくはえて、地勢魂をなやますに似たり。 |
||
::象潟や雨に[[w:西施|西施]]がねぶの花 |
::象潟や雨に[[w:西施|西施]]がねぶの花 |
||
*むざんやな甲の下の[[きりぎりす]] |
*むざんやな甲の下の[[きりぎりす]] |
||
*行く春や鳥啼き(なき)魚の目は泪 |
*行く春や鳥啼き(なき)魚の目は泪 |
||
*わせの香や分入右は有磯海 |
*わせの香や分入右は有磯海 |
||
67 行 | 44 行 | ||
==== 『野ざらし紀行』 ==== |
==== 『野ざらし紀行』 ==== |
||
*草の枕に寝あきて、まだほの暗きうちに浜のかたに出て、 |
*草の枕に寝あきて、まだほの暗きうちに浜のかたに出て、 |
||
:[[曙|明ぼの]]や[[白魚]]白きこと一寸 |
:[[曙|明ぼの]]や[[白魚]]白きこと一寸 |
||
*海暮れて[[鴨]]の声ほのかに白し |
*海暮れて[[鴨]]の声ほのかに白し |
||
*狂句木枯の身は竹斎に似たる哉 |
*狂句木枯の身は竹斎に似たる哉 |
||
*野ざらしを心に風のしむ身かな |
*野ざらしを心に風のしむ身かな |
||
*道のべの[[木槿]]は[[馬]]に食はれけり |
*道のべの[[木槿]]は[[馬]]に食はれけり |
||
*奈良に出(いづ)る道のほど |
*奈良に出(いづ)る道のほど |
||
:春なれや名もなき山の薄霞 |
:春なれや名もなき山の薄霞 |
||
*水取りや氷の僧の沓の音 |
*水取りや氷の僧の沓の音 |
||
*大津に至る道、山路を越えて |
*大津に至る道、山路を越えて |
||
:山路来て何やらゆかし[[すみれ]]草 |
:山路来て何やらゆかし[[すみれ]]草 |
||
:*初案は「何とはなしに何やら床し菫草」。三月二十七日、熱田白鳥山法持寺参詣の折、芭蕉、叩端、桐葉を連衆とする三吟歌仙の発句。これを改案して、逢坂山超えの句とした。 |
:*初案は「何とはなしに何やら床し菫草」。三月二十七日、熱田白鳥山法持寺参詣の折、芭蕉、叩端、桐葉を連衆とする三吟歌仙の発句。これを改案して、逢坂山超えの句とした。 |
||
*辛崎の松は花より朧にて |
*辛崎の松は花より朧にて |
||
*手に取らば消えん涙ぞ熱き秋の霜 |
*手に取らば消えん涙ぞ熱き秋の霜 |
||
116 行 | 83 行 | ||
==== その他 ==== |
==== その他 ==== |
||
*[[梅]]が香にのつと[[日]]の出る山路かな |
*[[梅]]が香にのつと[[日]]の出る山路かな |
||
*:『炭俵』より |
*:『炭俵』より |
||
*古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求めよ。 |
*古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求めよ。 |
||
*:『許六離別詞』より |
*:『許六離別詞』より |
||
*[[西行]]の和哥における 宗祇の連哥における 雪舟の繪における [[千利休|利休]]が[[茶]]における 其貫道する物は一なり |
*[[西行]]の和哥における 宗祇の連哥における 雪舟の繪における [[千利休|利休]]が[[茶]]における 其貫道する物は一なり |
||
*塩[[鯛]]の歯ぐきも寒し魚の店 |
*塩[[鯛]]の歯ぐきも寒し魚の店 |
||
*:『薦獅子』より |
*:『薦獅子』より |
||
*静にみれば物皆自得す |
*静にみれば物皆自得す |
||
*:『蓑蟲説跋』より |
*:『蓑蟲説跋』より |
||
*::中国の言葉「萬物靜觀皆自得」からの引用 |
*::中国の言葉「萬物靜觀皆自得」からの引用 |
||
*鷹一つ見付けてうれし伊良湖崎。 |
*鷹一つ見付けてうれし伊良湖崎。 |
||
*奈良七重七道伽藍八重桜 |
*奈良七重七道伽藍八重桜 |
||
*:『泊船集』より |
*:『泊船集』より |
||
*[[芭蕉]][[野分]]して盥に[[雨]]を聞く[[夜]]かな |
*[[芭蕉]][[野分]]して盥に[[雨]]を聞く[[夜]]かな |
||
*:『武蔵曲』より |
*:『武蔵曲』より |
||
*古池や[[蛙]]飛込む水の[[音]] |
*古池や[[蛙]]飛込む水の[[音]] |
||
*:『春の日』より |
*:『春の日』より |
||
*名月や池をめぐりて夜もすがら |
*名月や池をめぐりて夜もすがら |
||
*:『孤松』より |
*:『孤松』より |
||
*物いへば唇さむし秋の風 |
*物いへば唇さむし秋の風 |
||
*:『芭蕉庵小文庫』より |
*:『芭蕉庵小文庫』より |
||
*數ならぬ身となおもひそ玉祭り |
*數ならぬ身となおもひそ玉祭り |
||
*:『有磯海』より |
*:『有磯海』より |
||
*予が風雅は夏炉冬扇のごとし。 |
*予が風雅は夏炉冬扇のごとし。 |
||
*:『柴門辞』より |
*:『柴門辞』より |
||
*[[みのむし]]の音をききにこよ草の庵 |
*[[みのむし]]の音をききにこよ草の庵 |
||
2009年1月27日 (火) 10:57時点における版
松尾芭蕉
松尾芭蕉 まつお ばしょう。自筆署名では「はせを」と表記する。江戸時代の俳人。俳聖と称される。
出典の明確なもの
奥の細道
- あかあかと日はつれなくも秋の風
- 荒海や佐渡によこたふ天河
- あらたふと青葉若葉の日の光
- 石山の石より白し秋の風
- 一家に遊女も寢たり萩と月
- 雲の峰幾つ崩て月の山
- 五月雨をあつめて早し最上川(もがみがは)
- 象潟や雨に西施がねぶの花
- 草の戸も住み替わる代ぞ雛の家
- 五月雨の降り残してや光堂
- 山中や菊はたおらぬ湯の匂
- 閑さや岩にしみ入蝉の聲
- 曾良は腹を病て、伊勢の國長嶋と云所にゆかりあれば、先立て行に、
- 月日は百代の過客にして行きかふひともまた旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋江上の破屋に蜘の古巣をはらひて、やゝ年も暮、春立る霞の空に白川の関こえんと、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず。もゝ引の破をつゞり、笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、松島の月先心にかゝりて、住る方は人に譲り、杉風が別墅に移るに、
- 草の戸も住み替はる代(よ)ぞひなの家
- 面八句を庵の柱に懸置。
- 蛤のふたみにわかれ行秋ぞ
- 象潟や雨に西施がねぶの花
- むざんやな甲の下のきりぎりす
- 行く春や鳥啼き(なき)魚の目は泪
- わせの香や分入右は有磯海
『笈日記』
- 辞世の句。
『野ざらし紀行』
- 草の枕に寝あきて、まだほの暗きうちに浜のかたに出て、
- 春なれや名もなき山の薄霞
- 水取りや氷の僧の沓の音
- 大津に至る道、山路を越えて
- 山路来て何やらゆかしすみれ草
- 初案は「何とはなしに何やら床し菫草」。三月二十七日、熱田白鳥山法持寺参詣の折、芭蕉、叩端、桐葉を連衆とする三吟歌仙の発句。これを改案して、逢坂山超えの句とした。
- 辛崎の松は花より朧にて
- 手に取らば消えん涙ぞ熱き秋の霜
『笈の小文』
『猿蓑』
『続虚栗』
『曠野』
その他
- 梅が香にのつと日の出る山路かな
- 『炭俵』より
- 古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求めよ。
- 『許六離別詞』より
- 西行の和哥における 宗祇の連哥における 雪舟の繪における 利休が茶における 其貫道する物は一なり
- 塩鯛の歯ぐきも寒し魚の店
- 『薦獅子』より
- 静にみれば物皆自得す
- 『蓑蟲説跋』より
- 中国の言葉「萬物靜觀皆自得」からの引用
- 『蓑蟲説跋』より
- 鷹一つ見付けてうれし伊良湖崎。
- 奈良七重七道伽藍八重桜
- 『泊船集』より
- 芭蕉野分して盥に雨を聞く夜かな
- 『武蔵曲』より
- 古池や蛙飛込む水の音
- 『春の日』より
- 名月や池をめぐりて夜もすがら
- 『孤松』より
- 物いへば唇さむし秋の風
- 『芭蕉庵小文庫』より
- 數ならぬ身となおもひそ玉祭り
- 『有磯海』より
- 予が風雅は夏炉冬扇のごとし。
- 『柴門辞』より
- みのむしの音をききにこよ草の庵
芭蕉に過って帰せられるもの
- 松島や ああ松島や 松島や
- しばしば芭蕉のものとされるが、芭蕉は「いづれの人か筆をふるひ詞(ことば)を尽くさむ」と松島では句を残さず、これは江戸時代後期の狂歌師、田原坊の作とされる。