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fmt, w:萩谷朴「紀貫之」『日本文学研究資料叢書 平安朝日記I』有精堂、1971年、p.125 から代表歌・秀作とされるものを書き写し
(→‎『後撰和歌集』: 土佐日記にあることを確認したので)
(fmt, w:萩谷朴「紀貫之」『日本文学研究資料叢書 平安朝日記I』有精堂、1971年、p.125 から代表歌・秀作とされるものを書き写し)
== '''[[w:紀貫之|紀貫之]]''' (872(きのつらゆき、872年頃-945年頃)==は平安時代初期の日本の歌人。『古今和歌集』の撰者の一人で仮名序作者。[[紀友則]]は従兄。
きのつらゆき。平安時代初期の日本の歌人。『古今和歌集』の撰者の一人で仮名序作者。[[紀友則]]は従兄。
 
=== 『古今和歌集』===
==== 仮名序 =『古今和歌集』===
*むすぶ手のしづくににごる山の井のあかでも人に別れぬるかな
*やまとうたは ひとのこころをたねとして よろづのことのはとぞ なれりける
 
*袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ
*世の中にある 人ことわざ しげきものなれば 心におもふことを 見るものきくものに つけていひいだせるなり
 
*春日野の若菜つみにや白妙の袖ふりはへて人のゆくらむ
*[[花]]になく[[鶯|うぐひす]] [[水]]にすむ[[蛙|かはづ]]のこゑをきけば いきとしいけるものいづれかうたをよまざりける
*ちからをもいれずしてあめつちをうごかし めに見えぬ おに神をもあはれとおもはせ [[男|をとこ]]をむなのなかをもやはらげ たけき[[武士|ものゝふ]]の心をもなぐさむるはうたなり
 
*このうた あめつちのひらけけはじまりけるときより いできにけり しかあれども 世につたはることは ひさかたのあめにしては したてるひめにはじまり あらかねのつちにては [[日本神話#八雲立つ|すさのをのみこと]]よりぞおこりける ちはやぶる神世には うたのもじもさだまらず すなほにして 事の心わきがたかりけらし ひとの世となりて すさのをのみことよりぞおこりける
 
*ちはやぶる神世には、うたのもじもさだまらず、すなほにして、事の心わきがたかりけらし
 
*人はいさ心もしらずふるさとは花ぞむかしの香ににほひける
*ひとの世となりて、すさのをのみことよりぞ、みそもじあまりひともじはよみける
*かくてぞ 花をめで [[鳥|とり]]をうらやみ [[霞|かすみ]]をあはれび [[露|つゆ]]をかなしぶ心 [[言葉|ことば]]おほく さまざまになりにける。とほき所も いでたつあしもとよりはじまりて 年月をわたり たかき[[山]]も ふもとのちりひぢよりなりて あまぐもたなびくまでおひのぼれるごとくに このうたも かくのごとくなるべし
 
*なにはづのうたは みかどのおほむはじめなり
*:「なにはづのうた」は「なにはづにさくやこの花ふゆごもりいまははるべとさくやこのはな」。[[仁徳天皇]]に帰せられる。
 
*あさか山のことばは うぬめのたはぶれよりよみて このふたうたはうたのちははのやうにてぞ 手ならふ人の はじめにもしける
 
*いにしへより かくつたはるうちにも ならの御時よりぞ ひろまりにける
*:「ならの御時」は平城天皇。
 
*かのおほむ世や うたの心をしろしめしたりけむ
 
*かのおほむ時に おほきみつのくらゐ[[柿本人麻呂|かきのもとの人まろ]]なむ うたのひじりなりける。
 
*人まろはあかひとがかみにたたむことかたく [[山部赤人|あか人]]は人まろがしもにたたむことかたくなむありける
 
*たとひ時うつり ことさり たのしび かなしびゆきかふとも このうたのもじあるをや
 
*うたのさまをもしり ことの心をえたらむ人は [[空|おほぞら]]の[[月]]を見るがごとくに、いにしへをあふぎて、いまをこひざらめかも
 
====和歌====
 
*むすぶ手のしづくににごる山の井のあかでも人に[[別れ]]ぬるかな
 
*袖ひちてむすびし[[水]]のこほれるを[[立春|春立つ]]けふの[[風]]やとくらむ
 
*[[春日野]]の若菜つみにや白妙の袖ふりはへて人のゆくらむ
 
*人はいさ心もしらずふるさとは[[花]]ぞむかしの香ににほひける
**詞書「初瀬にまうづるごとに、やどりける人の家に、久しく宿らで、程へて後にいたれりければ、かの家のあるじ、かくさだかになんやどりはあると、いひいだして侍りければ、そこに立てりける梅の花を折りてよめる」。
**小倉百人一首採られるも収録。
 
*[[三輪山|三わ山]]をしかもかくすか春[[]]人にしられぬ花やさくらむ
 
*[[|さくら]]ちりぬる風のなごりには水なきそらに浪ぞたちける
 
*[[]]の夜のふすかとすれば[[時鳥|ほととぎす]]なくひとこゑにあくるしののめ
 
*河風のすずしくもあるかうちよする浪とともにや[[]]は立つらむ
 
*秋風のふきにし日よりおとは山峰のこずゑも色づきにけり
**もる山は近江国守山と「漏る」を懸けたもの。
 
*見る人もなくてちりぬるおく山の[[紅葉]][[|よる]]のにしきなりけり
 
*年ごとにもみぢばながす龍田河みなとや秋のとまりなるらむ
 
*[[]]ふれば[[]]ごもりせる草も木も春にしられぬ花ぞさきける
 
*春くればやどにまづさく梅の花きみがちとせのかざしとぞみる
**詞書「もとやすのみこの七十の賀のうしろの屏風によみてかきける」。本康親王は[[w:仁明天皇|仁明天皇]]の皇子。
 
*しらくものやへにかさなる遠にてもおもはむ人に心へだつな
**詞書「みちのくにへまかりける人によみてつかはしける」。
 
*[[別離|わかれ]]てふ事はいろにもあらなくに心にしみてわびしかるらむ
 
*むすぶてのしづくににごる山の井のあかでも人にわかれぬるかな
 
*あすしらぬわが身とおもへどくれぬまのけふは人こそかなしかりけれ
**詞書「[[紀友則]]が[[死|身まかり]]にける時よめる」。
 
*君まさで煙たえにししほがまのうらさびしくも見え渡るかな
**詞書「[[源融|河原の左のおほいまうちぎみ]]の身まかりてのち、かの家にまかりてありけるに、塩釜といふ所のさまをつくれりけるをみてよめる」。
 
====『後撰和歌集』====
*宮こにて山のはに見し月なれど海よりいでて海にこそいれ
**『土佐日記』にも見える。
 
*てる月のながるる見ればあまのがはいづるみなとは海にぞありける
**二首ともに『土佐日記』にも見える。
 
====『拾遺和歌集』====
*[[逢坂の関|あふさかの関]]の清水に影見えて今やひくらむ望月の[[馬|こま]]
 
*思ひかねいもがりゆけば[[]]の夜の河風さむみ[[千鳥|ちどり]]なくなり
 
*おほかたのわが身ひとつのうきからになべての世をも恨みつるかな
*桜ちる木の下風は寒からでそらにしられぬ雪ぞふりける
 
==その他==
===[[w:土佐日記|土佐日記]]===
<small>[[w:萩谷朴|萩谷朴]]「紀貫之」『日本文学研究資料叢書 平安朝日記I』有精堂、1971年、p.125</small>
*[[男|をとこ]]もすといふ日記といふ物を[[女|ゝむな]]もしてみむとてするなり
 
*白栲に雪の降れれば草も木も年と共にも新しきかな
 
*朝露のおくての稲は稲妻を恋ふとぬれてやかはかざるらむ
 
*山桜霞のまよりほのかにも見しばかりにや恋ひしかるらむ
 
*真菰刈る淀の沢水雨降れば常よりことにまさるわが恋
 
*大原や小塩の山の小松原はや木高かれ千代の影見む
 
*君まさで煙絶へにし塩釜のうら淋しくも見えわたるかな
 
*桜散る木の下風は寒からで空に知られぬ雪ぞ降りける
 
*かき曇りあやめも知らぬ大空に蟻通しをば思ふべしやは
 
*ひぐらしの声もいとなく聞ゆるは秋夕暮になればなりけり
 
*あるものと忘れつつなほ亡き人をいづらと問ふぞ悲しかりける
 
*影見れば波の底なる久方の空漕ぎわたるわれぞさびしき
 
*ちはやぶる神の心を荒るる海に鏡を入れてかつ見つるかな
 
*千代経たる松にはあれどいにしへの声の寒さは変らざりけり
 
*'''を'''ぐら山'''み'''ねたちならし'''な'''く鹿の'''へ'''にけむ秋を'''し'''る人ぞなき
**小倉山を各句の頭においた折句
 
*桜花咲きにけらしも足曳きの山の峡より見ゆる白雲
 
*うば玉のわがくろ'''かみやかは'''るらむ鏡の影にふれる白雪
**[[w:天神川 (京都府)|紙屋川]]を詠み込んだ{{ruby|物名|もののな}}歌。鏡は川のほとりにある鏡石[http://www.pref.kyoto.jp/shiryokan/ikku01-2.html]。
 
== 散文 ==
=== 『古今和歌集』 仮名序 ===
*やまとうたは ひとのこころをたねとして よろづのことのはとぞ なれりける
 
*世の中にある 人ことわざ しげきものなれば 心におもふことを 見るものきくものに つけていひいだせるなり
 
*[[花]]になく[[鶯|うぐひす]] [[水]]にすむ[[蛙|かはづ]]のこゑをきけば いきとしいけるものいづれかうたをよまざりける
*ちからをもいれずしてあめつちをうごかし めに見えぬ おに神をもあはれとおもはせ [[男|をとこ]]をむなのなかをもやはらげ たけき[[武士|ものゝふ]]の心をもなぐさむるはうたなり
 
*このうた あめつちのひらけけはじまりけるときより いできにけり しかあれども 世につたはることは ひさかたのあめにしては したてるひめにはじまり あらかねのつちにては [[日本神話#八雲立つ|すさのをのみこと]]よりぞおこりける ちはやぶる神世には うたのもじもさだまらず すなほにして 事の心わきがたかりけらし ひとの世となりて すさのをのみことよりぞおこりける
 
*ちはやぶる神世には、うたのもじもさだまらず、すなほにして、事の心わきがたかりけらし
 
*ひとの世となりて、すさのをのみことよりぞ、みそもじあまりひともじはよみける
*かくてぞ 花をめで [[鳥|とり]]をうらやみ [[霞|かすみ]]をあはれび [[露|つゆ]]をかなしぶ心 [[言葉|ことば]]おほく さまざまになりにける。とほき所も いでたつあしもとよりはじまりて 年月をわたり たかき[[山]]も ふもとのちりひぢよりなりて あまぐもたなびくまでおひのぼれるごとくに このうたも かくのごとくなるべし
 
*なにはづのうたは みかどのおほむはじめなり
*:「なにはづのうた」は「なにはづにさくやこの花ふゆごもりいまははるべとさくやこのはな」。[[仁徳天皇]]に帰せられる。
 
*あさか山のことばは うぬめのたはぶれよりよみて このふたうたはうたのちははのやうにてぞ 手ならふ人の はじめにもしける
 
*いにしへより かくつたはるうちにも ならの御時よりぞ ひろまりにける
*:「ならの御時」は平城天皇。
 
*かのおほむ世や うたの心をしろしめしたりけむ
 
*かのおほむ時に おほきみつのくらゐ[[柿本人麻呂|かきのもとの人まろ]]なむ うたのひじりなりける。
 
*人まろはあかひとがかみにたたむことかたく [[山部赤人|あか人]]は人まろがしもにたたむことかたくなむありける
 
*たとひ時うつり ことさり たのしび かなしびゆきかふとも このうたのもじあるをや
 
*うたのさまをもしり ことの心をえたらむ人は [[空|おほぞら]]の[[月]]を見るがごとくに、いにしへをあふぎて、いまをこひざらめかも
 
===『土佐日記』===
*をとこもすといふ日記といふ物をゝむなもしてみむとてするなり
**表記は定家本「土左日記」による。
 
::みし人の松のちとせにみましかばとほくかなしき別れせましや
:*帰京して、任地でなくなった女子を悼む歌。
**表記は定家本「土左日記」による。
 
== 外部リンク ==
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