出典: フリー引用句集『ウィキクォート(Wikiquote)』
立春についての引用。
立春と霞[編集]
- ひさかたの天の香具山この夕霞たなびく春立つらしも --柿本人麻呂
- 久方之 天芳山 此夕 霞霏 春立下
- 『万葉集』巻十、1812
- 春立つといふばかりにやみ吉野の山も霞みてけさはみゆらむ --壬生忠岑
- 『拾遺和歌集』
- 逢坂(あふさか)の関をや春もこえつらむ音羽の山のけさは霞める --橘俊綱
- 『後拾遺和歌集』
- 春のくるあしたの原を見わたせば霞もけふぞ立ちはじめける --源俊頼
- 『千載和歌集』
- み吉野は山も霞みて白雪のふりにし里に春は来にけり --藤原良経
- 『新古今和歌集』
- けさはまだ霞まぬ山もきのふより遠きばかりを春の色かな --心敬
- を筑波(つくば)もとほつ葦穂(あしほ)も霞むなり嶺(ね)越し山こし 春や来ぬらむ --賀茂真淵
- 春立つと峰の松原霞むより垣根の水を流れそめけり --熊谷直好
年内立春[編集]
- 年の内に春は来にけり一年を去年(こぞ)とやいはむ今年とやいはむ -- 在原元方
- 『古今和歌集』春上、1
- 年の内の春ゆゆしさよ古暦 --蕪村
東風解凍[編集]
- 孟春の月[…]東風凍りを解く --『礼記』月令
- 孟春之月[…]東風解凍
- 袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ --紀貫之
- 『古今和歌集』春上、2
- 池の凍りの東頭は風度(わた)って解く
窓の梅の北面は雪封じて寒し --藤原篤持
- 池凍東頭風度解
窗梅北面雪封寒
- 『和漢朗詠集』
- うちなびき春は来にけり山川の岩間の氷けふやとくらむ --藤原顕季
- 『金葉和歌集』
- こほりゐし志賀の辛崎うちとけてさざ波寄する春風ぞ吹く --大江匡房
- 『詞華和歌集』
- 春はきぬ
春はきぬ
霞よ雲よ動(ゆる)ぎいで
氷れる空をあたゝめよ
花の香おくる春風よ
眠れる山を吹きさませ --島崎藤村「春の歌」
- 『若菜集』