カール・マルクス
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カール・マルクス (1818年5月5日 - 1883年3月14日)はドイツの経済学者、哲学者、革命家。
出典が明らかなもの
[編集]Manifest der Kommunistischen Partei. Marx/Engels, MEW 4, 1848
- 今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である。
- "Die Geschichte aller bisherigen Gesellschaft ist die Geschichte von Klassenkämpfen." - Manifest der Kommunistischen Partei. Marx/Engels, MEW 4, S. 462, 1848 - Manifest der Kommunistischen Partei. Marx/Engels, MEW 4, S. 1, 1848
- 法律、道徳、宗教は、プロレタリアにとっては、すべてブルジョア的偏見であって、それらすべての背後にはブルジョア的利益がかくされている。[1]
- "Die Gesetze, die Moral, die Religion sind für ihn ebenso viele bürgerliche Vorurteile, hinter denen sich ebenso viele bürgerliche Interessen verstecken."
- 宗教的、哲学的見地および一般に思想的見地から共産主義に向かって発せられる非難は、詳細な検討に値いしない。[2]
- " Die Anklagen gegen den Kommunismus, die von religiösen, philosophischen und ideologischen Gesichtspunkten überhaupt erhoben werden, verdienen keine ausführlichere Erörterung."
- 思想の歴史の証明するところは、精神的生産は物質的生産とともに作り変えられるということのほかに何があろうか? ある時代の支配的思想は、つねに支配階級の思想にすぎないのである。[3]
- " Was beweist die Geschichte der Ideen anders, als daß die geistige Produktion sich mit der materiellen umgestaltet? Die herrschenden Ideen einer Zeit waren stets nur die Ideen der herrschenden Klasse."
- 一つの全社会を革命する思想というものがあるという。それはただ、旧社会の内部に新社会の諸要素が形成されたという事実を、古い思想の解体は古い生活諸関係の解体と同一歩調をとるという事実をいっているにすぎない。 [4]
- " Man spricht von Ideen, welche eine ganze Gesellschaft revolutionieren; man spricht damit nur die Tatsache aus, daß sich innerhalb der alten Gesellschaft die Elemente einer neuen gebildet haben, daß mit der Auflösung der alten Lebensverhältnisse die Auflösung der alten Ideen gleichen Schritt hält."
- 一言でいえば、共産主義者はどこにおいても、現存の社会的ならびに政治的状態に反対するあらゆる革命運動を支持する。[5]
- " Mit einem Wort, die Kommunisten unterstützen überall jede revolutionäre Bewegung gegen die bestehenden gesellschaftlichen und politischen Zustände."
- このようなすべての運動において、共産主義者は、所有の関係を、それが多かれ少かれどれほど発展した形態をとっていようとも、運動の基本問題として強調する。
- 最後に、共産主義者はどこにおいても、すべての国の民主主義諸政党の結合と協調に努力する。[6]
- " In allen diesen Bewegungen heben sie die Eigentumsfrage, welche mehr oder minder entwickelte Form sie auch angenommen haben möge, als die Grundfrage der Bewegung hervor. Die Kommunisten arbeiten endlich überall an der Verbindung und Verständigung der demokratischen Parteien aller Länder."
- 共産主義者は、自分の見解や意図を隠すことを恥とする。共産主義者は、彼らの目的は、既存の全社会組織を暴力的に転覆することによってのみ達成できることを、公然と宣言する。支配階級をして共産主義革命のまえに戦慄せしめよ! プロレタリアはこの革命において鉄鎖のほかに失う何物もない。彼らの得るものは全世界である。万国の労働者よ、団結せよ。
- " Die Kommunisten verschmähen es, ihre Ansichten und Absichten zu verheimlichen. Sie erklären es offen, daß ihre Zwecke nur erreicht werden können durch den gewaltsamen Umsturz aller bisherigen Gesellschaftsordnung. Mögen die herrschenden Klassen vor einer kommunistischen Revolution zittern. Die Proletarier haben nichts in ihr [Anm.: der Welt] zu verlieren als ihre Ketten. Sie haben eine Welt zu gewinnen. Proletarier aller Länder, vereinigt euch!" - Manifest der Kommunistischen Partei. Marx/Engels, MEW 4, S. 493, 1848
『ヘーゲル法哲学批判序論』
[編集]- 宗教上の苦しみは、現実的な苦しみの表現でもあるし、現実的な苦しみにたいする抗議でもある。宗教は、逆境に悩める者のため息であり、心なき世界の心情であるとともに、精神なき状態の精神である。それは民衆の阿片である。
- " Das religiöse Elend ist in einem der Ausdruck des wirklichen Elendes und in einem die Protestation gegen das wirkliche Elend. Die Religion ist der Seufzer der bedrängten Kreatur, das Gemüt einer herzlosen Welt, wie sie der Geist geistloser Zustände ist. Sie ist das Opium des Volkes."
- このフレーズはドイツの詩人ハインリッヒ・ハイネの1840年の著作『Ludwig Borne iv(ルートヴィヒ・ベルネ)』中の「宗教は救いのない、苦しむ人々のための、精神的な阿片である」から引用したものと思われる。外部リンク[1]
『モーゼル通信員の弁護』
[編集]- たしかにわれわれは、外化された労働(外化された生活)という概念を、私有財産の運動からの結果として、国民経済学から獲得してきたにちがいない。しかしこの概念を分析すると、ちょうど神々が本来は知性錯乱の原因ではなく、その結果であるのと同様に、私有財産は、それが外化された労働の根拠、原因として現われるとしても、むしろ外化された労働の一帰結にほかならないことが明らかになる。のちになってこの関係は、相互作用へと変化するのである。
- 第一草稿 〔四〕 疎外された労働[8]
- " Wir haben allerdings den Begriff der entäußerten Arbeit (des entäußerten Lebens) aus der Nationalökonomie als Resultat aus der Bewegung des Privateigentums gewonnen. Aber es zeigt sich bei Analyse dieses Begriffes, daß, wenn das Privateigentum als Grund, als Ursache der entäußerten Arbeit erscheint, es vielmehr eine Konsequenz derselben ist, wie auch die Götter ursprünglich nicht die Ursache, sondern die Wirkung der menschlichen Verstandesverirrung sind. Später schlägt dies Verhältnis in Wechselwirkung um."
- 物質的生活の生産様式は、社会的、政治的、精神的生活諸過程一般を制約する。人間の意識がその存在を規定するのではなくて、逆に、人間の社会的存在がその意識を規定するのである。
- 経済学批判 序言[9]
- "Die Produktionsweise des materiellen Lebens bedingt den sozialen, politischen und geistigen Lebensprozeß überhaupt. Es ist nicht das Bewußtsein der Menschen, das ihr Sein, sondern umgekehrt ihr gesellschaftliches Sein, das ihr Bewußtsein bestimmt."
- しかしながら、商品価値の形態においては、すべての労働が等一なる人間労働として、したがって等一的に作用しているものとして表現されているということを、アリストテレスは、価値形態自身から読み取ることができなかった。というのは、ギリシア社会は奴隷労働にもとづいており、したがって、人間とその労働力の不等を自然的基礎としていたのであるからである。
- 資本論第一巻第一篇第一章第三節A三 等価形態[10]
- ヨーロッパの強制で開かれた日本の外国貿易が、現物地代の貨幣地代*への転化という結果をもたらすとすれば、それは、その模範的な農業の破滅となる。その狭い経済的存立諸条件は解消されるであろう。
- * 第三版および第四版では、金地代 Goldrente、となっている。──ディーツ版編集者。
- 資本論第一巻第一篇第三章第三節b 支払手段[11]
- この単純流通、または商品交換の部面から、俗学的自由貿易論者が、資本と賃金労働の社会についていろいろの見解や概念を、そしてその判断の基準を得てくるのであるが、いまこの部面に訣別するに際して、わが俳優たちの相貌は、すでに何かちがったものになっているらしい。先の貨幣所有者は資本家として先頭に進んでいる。労働力所有者は、その労働者として彼の後に従っている。一人は意味深そうにあいそ笑いしながら、業務に心を奪われた人のように。他の一人は、おずおずといやいやながら、ちょうど身を投げ出して尽くしても、もはや──打ちのめされるほかに、何も期待できない人のように。
- 資本論第一巻第二篇第四章第三節 労働力の買いと売り[12]
- かくして、労働力の価値と価格を労働賃金の形態に、あるいは労働そのものの価値と価格に転化させることの、決定的重要性が理解される。現実の関係を隠蔽して、その正反対を示すこの現象形態こそは、労働者と資本家のあらゆる法律的観念、資本主義的生産様式のすべての瞞着、そのあらゆる自由の幻想、俗流経済学のすべての弁護論的空論が、その上に立つ基礎なのである。
- 資本論第一巻第六篇第一七章 労働力の価値または価格の労働賃金への転化[13]
- 革命の嵐の当初においてただちに、フランスのブルジョアジーは、ようやく獲得されたばかりの団結権を、再び労働者から奪い取った。一七九一年六月一四日の布告によって、ブルジョアジーは一切の労働者団結を、五〇〇リーヴルの罰金と一年間の公権剝奪とをもって罰せられるべき「自由と人権宣言とにたいする侵害」であると宣言した。
- 資本論第一巻第七篇第二四章第三節 一五世紀末以来の被収奪者にたいする血の立法。労働賃金引下げのための諸法律[14]
- しかし、これは依然としてなお必然性の国である。この国の彼方に、自己目的として行為しうる人間の力の発展が、真の自由の国が、といってもかの必然性の国をその基礎としてその上にのみ開花しうる自由の国が、始まる。労働日の短縮は根本条件である。
- 資本論第三巻第七篇第四八章 三位一体の定式 Ⅲ[15]
- 資本主義社会と共産主義社会のあいだには、前者から後者への革命的な転化の時期がある。この時期に照応してまた政治的な一過渡期がある。この過渡期の国家は、プロレタリアートの革命的独裁以外のなにものでもありえない。 [16]
- " Zwischen der kapitalistischen und der kommunistischen Gesellschaft liegt die Periode der revolutionären Umwandlung der einen in die andre. Der entspricht auch eine politische Übergangsperiode, deren Staat nichts andres sein kann als die revolutionäre Diktatur des Proletariats."
その他
[編集]- 哲学者たちは世界を色々な仕方でただ解釈してきた。しかし肝心なのは、世界の変革である。--『フォイエルバッハ論』1845年
- Die Philosophen haben die Welt nur verschieden interpretiert; es kommt drauf an, sie zu verändern. - Thesen über Feuerbach. MEW 3, S. 7, 1845
- もろもろの革命は社会の牽引車である。--「フランスにおける階級闘争」、1850年。
- Die Revolutionen sind die Lokomotiven der Geschichte. - Die Klassenkämpfe in Frankreich 1848 bis 1850. MEW 7, S. 85, 1850
- ゲーテはもっとも偉大なドイツの詩人であるだけではなく、もっとも偉大なドイツ人であった。
- Goethe war der größte Deutsche, nicht nur der größte deutsche Dichter. - mit Friedrich Engels in einem Aufsatz.
- フリードリヒ・エンゲルスと共著の論文において。
脚注
[編集]- ↑ 『共産党宣言』第一章ブルジョアとプロレタリア 大内兵衛・向坂逸郎訳、岩波文庫、1951年12月。ISBN 4003412451 、58ページ
- ↑ 『共産党宣言』第二章プロレタリアと共産主義者 大内兵衛・向坂逸郎訳、岩波文庫、1951年12月。ISBN 4003412451 、72ページ
- ↑ 『共産党宣言』第二章プロレタリアと共産主義者 大内兵衛・向坂逸郎訳、岩波文庫、1951年12月。ISBN 4003412451 、72-73ページ
- ↑ 『共産党宣言』第二章プロレタリアと共産主義者 大内兵衛・向坂逸郎訳、岩波文庫、1951年12月。ISBN 4003412451 、73ページ
- ↑ 『共産党宣言』第四章種々の反対党に対する共産主義者の立場 大内兵衛・向坂逸郎訳、岩波文庫、1951年12月。ISBN 4003412451 、97ページ
- ↑ 『共産党宣言』第四章種々の反対党に対する共産主義者の立場 大内兵衛・向坂逸郎訳、岩波文庫、1951年12月。ISBN 4003412451 、97ページ
- ↑ 浅尾大輔『新解 マルクスの言葉』バジリコ、ISBN 9784862382030、2013年 33ページ
- ↑ 城塚登・田中吉六訳『経済学・哲学草稿』岩波文庫、ISBN 4003412427 、1964年 102ページ
- ↑ 『経済学批判』武田隆夫・遠藤湘吉・大内力・加藤俊彦訳、岩波文庫、1956年 ISBN 4003412508 、13ページ
- ↑ 向坂逸郎訳『資本論(一)』岩波文庫、ISBN 4003412516、1969年 110-111ページ
- ↑ 向坂逸郎訳『資本論(一)』岩波文庫、ISBN 4003412516、1969年 245ページ
- ↑ 向坂逸郎訳『資本論(一)』岩波文庫、ISBN 4003412516、1969年 306-307ページ
- ↑ 向坂逸郎訳『資本論(三)』岩波文庫、ISBN 4003412532、1969年 58ページ
- ↑ 向坂逸郎訳『資本論(三)』岩波文庫、ISBN 4003412532、1969年 383ページ
- ↑ 向坂逸郎訳『資本論(九)』岩波文庫、ISBN 4003412591 、1970年 17ページ
- ↑ 「マルクス ゴータ綱領批判」ドイツ労働者党綱領評注四 望月清司訳、岩波文庫、1975年5月16日、ISBN 4-00-341264-8 、53ページ
参考文献
[編集]- 『共産党宣言』大内兵衛・向坂逸郎訳、岩波文庫、1951年12月。ISBN 4003412451
- 浅尾大輔『新解 マルクスの言葉』バジリコ、ISBN 9784862382030、2013年
- 城塚登・田中吉六訳『経済学・哲学草稿』岩波文庫、ISBN 4003412427 、1964年
- 『経済学批判』武田隆夫・遠藤湘吉・大内力・加藤俊彦訳、岩波文庫、1956年 ISBN 4003412508
- 向坂逸郎訳『資本論(一)』岩波文庫、ISBN 4003412516、1969年
- 向坂逸郎訳『資本論(三)』岩波文庫、ISBN 4003412532 、1969年
- 向坂逸郎訳『資本論(九)』岩波文庫、ISBN 4003412591 、1970年
- 「マルクス ゴータ綱領批判」望月清司訳、岩波文庫、1975年5月16日、ISBN 4003412648