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[[w:春|'''春''']]に関する引用と諺。 |
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==引用== |
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===万葉集=== |
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*ひさかたの天の香具山この夕(ゆふべ)霞たなびく春立つらしも -[[柿本人麻呂]] |
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*:久方之 天芳山 此夕 霞霏 春立下 -- 『万葉集』巻十・1812。巻頭歌。 |
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*春さればしだり柳のとををにも妹は心に乗りにけるかも -[[柿本人麻呂]] |
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*:春去 為垂柳 十緒 妹心 乗在鴨 -- 『万葉集』巻十・1896。「とをを」は「たわわ」と同意。 |
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*いはばしる垂水の上の早蕨の萌え出づる春になりにけるかも -[[志貴皇子]] |
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*:石激 垂見之上乃 左和良妣乃 毛要出春尓 成来鴨 -- 『万葉集』巻八・1418。 |
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*春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ娘子(をとめ) -[[大伴家持]] |
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*:春苑 紅尓保布 桃花 下照道尓 出立嬬 -- 『万葉集』巻十九・4139。 |
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*春の野に霞みたなびきうら悲しこの夕影に鶯鳴くも<br />我が屋戸のいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕かも<br />うらうらに照れる春日に雲雀上がり情(こころ)悲しも独りし思へば -[[大伴家持]]「春愁三首」 |
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*:春野尓 霞多奈伎 宇良悲 許能暮影尓 鴬奈久母<br />和我屋度能 伊佐左村竹 布久風能 於等能可蘇氣伎 許能由布敝可母<br />宇良々々尓 照流春日尓 比婆理安我里 情悲毛 比登里志於母倍婆 -- 『万葉集』巻十九・4290〜4292。 |
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===古今和歌集=== |
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*年の内に 春はきにけり 一年を 去年とやいはむ 今年とやいはむ -- 在原元方 |
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*:『古今和歌集』春上・1。巻頭歌。 |
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*雪のうちに 春は來にけり 鶯の 冰れる涙 今やとくらむ -- 二条の后(藤原高子) |
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*:『古今和歌集』春上・4。 |
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*世の中に たえて櫻の なかりせば 春の心は のどけからまし -- [[在原業平]] |
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*:『古今和歌集』春上・53 |
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*なにはづにさくやこの花冬籠今ははるべと咲くやこの花 |
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**[[w:王仁|王仁]]の作とされる。[[紀貫之]]により『古今和歌集』「仮名序」に引証される。 |
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===その他=== |
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*春宵一刻値千金<br>花に清香有り月に陰有り -[[蘇軾]]「春夜」 |
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*:春宵一刻値千金<br>花有淸香月有陰 |
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*春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる。 -[[清少納言]]『枕草子』能因本系 |
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**他の系統の写本は[[清少納言#春はあけぼの|清少納言]]の項を参照。 |
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*はるはあけぼの。そらはいたくかすみたるに、やうやうしろくなりゆくやまぎはの、すこしつづあかみて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる。 - 前田家本『枕草子』 |
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*春はあけぼのの空は、いたくかすみたるに、やうやう白くなり行く山のはの、すこしづつあかみて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたるもいとをかし。 - 堺本系『枕草子』 |
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:--[[清少納言]] |
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*けふのみと春をおもはぬ時だにも立つことやすき花のかげかは -- [[凡河内躬恒]] |
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*見渡せば山もと霞む水無瀬川ゆふべは秋となに思ひけん --[[後鳥羽院]] |
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**『新古今和歌集』巻頭歌。 |
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*ほのぼのと春こそ空にきにけらし天のかぐ山霞たなびく --後鳥羽院 |
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**『新古今和歌集』。 |
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*春寒くして浴を賜ふ華清の池<br>温泉水滑らかにして凝脂を洗ふ |
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*:春寒賜浴華淸池<br>溫泉水滑洗凝脂 -- [[白居易]] 長恨歌 |
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*めでたさも中くらいなりおらが春 -- [[小林一茶]] |
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*春眠[[暁]]を覚えず。 |
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*:春眠不覺曉 - [[孟浩然]]「春暁」 |
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*春風の花を散らすと見る夢はさめても胸のさわぐなりけり -- [[西行]] |
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*<font size=-1>シテ</font>〽これかや春の物狂、<br /><font size=-1>地謡</font>〽乱れ心か恋草の、<br /><font size=-1>シテ</font>〽力車に、七車、<br /><font size=-1>地謡</font>〽積むとも尽きじ、 -[[世阿弥]]『百万』(観世流) |
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*ほのぼのと明けゆく空も紫ににほふや春のむさし野の原 -加藤千蔭『うけらが花』一・春 |
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*ほのぼのと色みえそむる[[花]]の枝にあけもおくれぬもも鳥のこゑ -本居春庭『後鈴屋集』後編・上 |
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*一刻を千金づゝにつもりなば六万両の春のあけぼの -四方赤良 |
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*:『万代狂歌集』所収。 |
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*くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる --[[正岡子規]] |
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*春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外の面の草に日の入る夕 --[[北原白秋]] |
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*春の海終日(ひねもす)のたりのたりかな -- [[与謝蕪村]] |
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*春の夜のゆめのうき橋とだえして峰にわかるる横雲のそら -- [[藤原定家]] |
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*いくとせの春に心をつくしきぬあはれと思へみよしのゝ花 -- [[藤原俊成]] |
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*行く春を近江の人と惜しみける --[[松尾芭蕉]] |
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*いちはつの花咲きいでて我目には今年ばかりの春行かんとす --正岡子規 |
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*時は春、/日は[[朝]]、<br>朝は七時、片岡に[[露]]みちて、<br>揚[[雲雀]]なのりいで、/[[蝸牛]]枝に這ひ、<br>[[神]]、そらに知ろしめす。/なべて世は事も無し。 --[[ロバート・ブラウニング]]「春の朝(あした)」、訳[[上田敏]]、『海潮音』。 |
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: The year's at the spring,<br>And day's at the morn;<br>Morning's at seven;<br>The hill-side's dew-pearl'd;<br>The lark's on the wing;<br>The snail's on the thorn;<br>God's in His heaven--<br>All's right with the world ! -- Pippa's Song by Robert Browning(Pippa Passes, 1841(「ピパの歌」、劇詩『ピパ、過ぎゆく』) |
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*四月の気層のひかりの底を<br>唾し はぎしりゆききする<br>おれはひとりの修羅なのだ -[[宮沢賢治]]「春と修羅(mental sketch modified)」 |
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*願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月の頃 -- 西行 |
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*いでていなば主なき宿と成ぬとも 軒端の梅よ春をわするな -- [[源実朝]] |
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*にしき織りなす長堤に<br />暮るればのぼるおぼろ月<br />げに一刻も 千金の<br />ながめを何にたとふべき -武島羽衣「花」 |
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*窓あけて窓いつぱいの春 -[[種田山頭火]]『草木塔』 |
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*春は來ぬ<br /> 春は來ぬ<br />初音やさしきうぐひすよ<br />こぞに別離(わかれ)を吿げよかし -[[島崎藤村]]「春の歌」 |
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===比喩としての春=== |
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*ただ春の夜の[[夢]]の如し。 |
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*:只春夜如夢 -- [[平家物語]] |
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*その子二十櫛に流るる黒髪のおごりの春の美しきかな -- [[与謝野晶子]] |
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=== 小倉百人一首 === |
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*君がため春の野に出て若菜つむわが衣手に[[雪]]はふりつつ -- [[光孝天皇]] |
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*久方の[[光]]のどけき春の日にしづ心なく[[花]]の散るらん -- [[紀友則]] |
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*春の[[夜]]の[[夢]]はかりなる手枕に甲斐なくたたん名こそおしけれ -- [[周防内侍]] |
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*いにしへの奈良の都の[[桜|八重桜]]けふ九重ににほひぬるかな -- [[伊勢大輔]] |
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== 諺 == |
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*[[男]]心と春の空 -- 日本の諺 |
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== 関連項目 == |
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{{wikipedia}} |
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*関連語:[[四季]];[[正月]];[[二月]]・[[三月]]・[[四月]];[[花見]] |
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*対義語:[[夏]]・[[秋]]・[[冬]] |
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{{DEFAULTSORT:はる}} |
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[[Category:季節]] |
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[[ca:Primavera]] |
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[[de:Frühling]] |
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[[en:Spring]] |
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2010年8月14日 (土) 01:30時点における版
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