石川啄木
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いしかわ たくぼく。日本の歌人・詩人。
作品
[編集]『悲しき玩具』
[編集]- 何となく、
今年はよい事あるごとし。
元日の朝、晴れて風無し。
『一握の砂』
[編集]- 東海の小島の磯の白砂に
われ泣きぬれて
蟹とたはむる
- ふるさとの訛なつかし
停車場の人ごみの中に
そを聴きにゆく
- やわらかに柳あをめる北上の
岸辺目に見ゆ
泣けとごとくに
- わが村に
初めてイエス=クリストの道を説きたる
若き女かな
- いのちなき砂のかなしさよ
さらさらと
握れば指のあひだより落つ
- はたらけど
はたらけど猶わが生活楽にならざり
ぢつと手を見る
- 不来方の
お城の草に寝ころびて
空に吸われし十五の心
- 函館の青柳町こそ悲しけれ
友の恋歌
矢ぐるまの花
- 誰そ我に
ピストルにても撃てよかし
伊藤のごとく死にて見せなむ
- やとばかり
桂首相に手とられし夢みて覚めぬ
秋の夜の二時
- 一度でも
我に頭を下げさせし人みな死ねと
いのりてしこと