偽ディオニュシオス・アレオパギテス

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偽ディオニュシオス・アレオパギテス

偽ディオニュシオス・アレオパギテス (5-6世紀)[編集]

ぎ ディオニュシオス・アレオパギテス(ラテン語:Pseudo-Dionysius Areopagita)。『ディオニュシオス文書』と呼ばれる一連の神学的文献群の著者とされている匿名の人物で、5-6世紀ごろの(おそらく)シリアの神学者である。

帰着されるもの[編集]

『神秘神学 第4章』[編集]

  • 一切の原因たる神は一切を超絶する。彼は無有(むゆう)でもなく無生(むしょう)でもない。没理(ぼつり)でもなく無智(むち)でもない。彼は肉身でもなく形体でもない。又(また)質(しつ)でもなく量(りょう)でもなく嵩(かさ)でもない。彼は住(じゅう)せず見えず又(また)触れ得ない。彼には感覚もなく亦(また)知覚もない。彼には物質の苦悩に基(もとづ)く紊乱(びんらん)もなく喧囂(けんごう)もない。彼は誤つた力にも、感覚の諸象にも左右せられる事がない。彼は光を要せず、亦(また)変化なく敗滅なく、分離なく、窮乏なく、流転がない。彼は感覚に属する一切のものと係(かか)はる処(ところ)がない。

『神秘神学 第5章』[編集]

  • 更に云はゞ彼は霊でもなく智でもない。彼は想像を持たず主張を持たず理智をも持たない。彼は言語を絶し知解を絶する。彼は数でもなく規定でもない。大に非ず小に非ず、同一に非ず類似に非ず区別に非ず、彼には止(し)なく動(どう)なく静(せい)なく、又(また)力(ちから)でもなく無力でもない。光でもなく生活でもなく亦(また)生(せい)そのものでもない。彼には存在なく時代なく亦(また)時がない。亦(また)理知がたずさはる対象でもない。知識でもなく真理でもなく、高貴でもなく慧智(けいち)でもない。彼は一(いち)でもなく多(た)でもなく、神性でもなく至善でもない。亦(また)吾々が理解する如き霊でもない。彼は子位(こい)でもなく父位(ふい)でもない。亦(また)吾々及(および)他のものに知られている何ものでもない。亦(また)存在する何ものでもなく、存在しない何ものでもない。又何ものも彼自身を知り得ず、又彼も凡ての存在をそれ自身に於て知り得ない。彼は言葉も名辞も知識も持たない。暗(あん)に非ず明(めい)に非ず、眞(しん)に非ず偽(ぎ)に非ず、彼は肯定され得べくもなく否定され得べくもない。否、よし吾々が彼に所属する事物を肯定し又は否定するとも、彼自身を肯定し又は否定する事は出来ぬ。一切のものゝ完全な原因は凡(すべ)ての断定を越え、一切を超絶するものは凡ての抽象を超える。かくて凡てのものから絶対に独在するのである。


出典[編集]

関連項目[編集]