空也
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くうや(又は こうや)。日本の平安時代中期の僧侶。
帰着されるもの
[編集]『空也上人絵詞伝』
[編集]- 山川の末(さき)に流るる橡殻(とちがら)も 身を捨ててこそ浮かむ瀬もあれ
『選集抄』西行
[編集]- むかし空也上人へある人念佛はいかが申(まを)すべきやと問(とひ)ければ、「捨ててこそ」とばかりにてなにとも仰(おほせ)られず。
『一遍上人語録』「門人伝説」
[編集]上人 (一遍上人)空 也 上人 は吾先達 なりとて、彼 御詞 を心 にそめて、口 ずさびたまひき。空 也 の御詞 に云 、
- 『
心 に所緣 無 ければ日 の暮 るに隨 つて止 み、身 に所住 無 ければ夜 の明 るに隨 つて去 る。忍辱 の衣 厚 くして杖木 瓦石 に痛 ず、慈悲 の室 深 くして、罵詈 誹 謗 を聞 ず。口 を信 じて三昧 市 中 是 れ道場 なり。聲 に隨 つて見佛 息精 卽 念珠 たり。夜夜 佛 の來迎 を待 ち、朝朝 最後 近 づくと喜 ぶ。三業 を天運 に任 せて、四儀 を菩 提 に讓 る。』
又 云 、『名 を求 め衆 を領 して身心 疲 る。功 を積 み善 を修 して希 望 多 し。孤 獨 は境界 無 きに如 かず。稱名 は萬 事 を抛 つに如 かず。間居 隱 士 貧 を樂 と爲 し、禪觀 幽室 靜 を友 となす。藤 衣 紙 衾 は是 れ淨服 にして求 め易 く更 に盜賊 の怖 無 し。』