詩経
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鄭風 女曰鷄鳴
[編集]- 女曰鷄鳴
- 鶏が鳴いていますと女が言う
- 士曰昧旦
- まだ夜は明けんよと男が言う
- 子興視夜
- 起きて外を見てきてください
- 明星有爛
- 明けの明星が出ているかしら
- 將翱將翔
- 鳥が飛んでいるようだ
- 弋鳧與鴈
- 矢を射て鳧と鴈を捕えよう
- 知子之來之
- あなたがお客を連れて来たなら
- 雜佩以贈之
- 雜佩を贈ってもてなしましょう
- 知子之順之
- その人と仲が良いのを知ったら
- 雜佩以問之
- 雜佩を贈って大事にしましょう
- 知子之好之
- その人のお世話になっているのを知ったら
- 雜佩以報之
- わたしは雜佩を贈って労いましょう
召南 摽有梅
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国風
[編集]- 關關雎鳩 在河之洲
窈窕淑女 君子好逑- 關關たる雎鳩は 河の洲に在り
窈窕たる淑女は 君子の好き逑(つれあ)ひなり
- 周南巻・關雎
- 詩経全巻の端句である。
- 關關たる雎鳩は 河の洲に在り
- 桃之夭夭 灼灼其華
之子于歸 宜其其家- 桃の夭夭たる 灼灼たり其の華
之の子于に歸(とつ)ぐ 其の其家に宜しからん
- 周南巻・桃夭
- 桃の夭夭たる 灼灼たり其の華
- 有匪君子 如切如磋
如琢如磨- 匪たる君子は 切したるが如く磋したるが如く
琢したるが如く磨したるが如し
- 衛風巻・淇奥
- 「切磋琢磨」の元となった。
- 匪たる君子は 切したるが如く磋したるが如く
- 春日遲遲
- 春日遲遲たり
- 豳風巻・七月
小雅
[編集]- 常棣之華 鄂不韡韡
凡今之人 莫如兄弟- 常棣の華 鄂不韡韡(いい)たり
凡そ今の人 兄弟に如くはなし
- 鹿鳴之什・常棣
- 常棣(じょうてい)はニワザクラの意。冒頭句。本句は『春秋左氏伝』僖公二十四年に引かれる。
- 常棣の華 鄂不韡韡(いい)たり
- 兄弟鬩於牆 外禦其務
- 兄弟は牆に鬩(せめ)げども 外其の務(あなどり)を禦ぐ
- 鹿鳴之什・常棣
- 本句は冒頭句に続けて『春秋左氏伝』僖公二十四年に引かれる。
- 妻子好合 如鼓瑟琴
- 妻子好(よしみ)合ふこと 瑟琴を鼓するが如し
- 鹿鳴之什・常棣
- 鶴鳴於九皐 聲聞於天
- 鶴九皐に鳴き 聲天に聞こゆ
- 鴻鴈之什・鶴鳴
- 九皐(きゅうこう)は九つめ、すなわちもっとも奥深い沢の意。本句は転じて才能ある人が隠れても自ずから知られることの意と解釈される。
- 它山之石 可以攻玉
- 它山(たざん)の石 以つて玉を攻(おさ)むべし
- 鴻鴈之什・鶴鳴
- 慣用句「他山の石」の出典。它(タ)は「別」の意。
大雅
[編集]- 周雖舊邦 其命維新
- 周は舊邦なりと雖も その命これ新たなり
- 文王之什・文王
- 濟濟多士 文王以寧
- 濟濟たる多士 文王もって寧んず
- 文王之什・文王
- 殷鑒不遠 在夏後之世
- 殷鑒遠からず 夏後(のち)の世に在り
- 蕩之什・蕩