10.8決戦

出典: フリー引用句集『ウィキクォート(Wikiquote)』
Wikipedia
Wikipedia
ウィキペディアにも10.8決戦の記事があります。
Wikisource
Wikisource
ウィキソース10.8決戦に関する記事群があります。

10.8決戦(1994年10月8日)に関する関係者等のコメントを掲載する。

関係者等[編集]

特記ない限り呼称等は試合当時のもの。

中日ドラゴンズ側[編集]

監督 高木守道

「屈辱の一戦だった。ああいう試合は特別。今まで通りやればいいと思ってしまった。経験が足りなかった。巨人は主力投手をすべて使った。私は(山田、野中を使い)山本昌、郭も使い切れなかった。悔いが残ります」[1]

大豊泰昭

「(巨人の4番)落合さんはホームランとタイムリーという試合の流れを決める働きをした。自分は1回の併殺打で全てが終わり1本のヒットも打つことが出来なかった。(中略)4番の差で負けた。それだけではないと思いますが、4番打者の差が一つの大きな敗因だった」[2]pp.280~281

野中徹博

「(10.8決戦での登板は)プロ野球生活一番の思い出」[3]

読売ジャイアンツ側[編集]

監督 長嶋茂雄

「監督として一番印象に残る試合と言われれば、この10.8以外にない。1ゲームを勝った負けたで1年の優劣が決まる。これほど過酷な試合はない。敗者になれば地獄へ落とされる怖さがあった」[4]

落合博満

「泣くまいと思っていたが、(自然に涙が出てしまった)」[5]

「ペナントレースにしろタイトル争いにしろ、僅かでも数字が高い者を勝者とする場合は、リードしている方が絶対に有利である。(中略)精神的な重圧は、明らかに追う者の方がきついと言える。ならば、リードしている者は精神的に余裕を持って戦える(中略)はずだ」[6]

原辰徳

「正直、あの心境は二度と味わいたくないですね。(中略)巨人軍5000勝という枠を超えた、最も印象に残る、しかし二度と経験したくはない1勝でした」[7]

斎藤雅樹

「前の晩に槙原さん、桑田、僕の3人が長嶋監督から『君らに任せた』と告げられたとよく言われるが、僕は呼ばれていなかった。中1日だったし、出番はないと思っていたけど、ブルペンで投げていたら、コーチが『おい、斎藤』と。思わず聞こえないフリをした」「五回途中に内転筋を痛めたが、テーピングをグルグルに巻いて投げた。あの試合で投げられたことが自信になり、さらにレベルアップできたと思う」[8]

桑田真澄

「(登板の準備は十分であったが、狭いナゴヤ球場等の条件下で)正直にいうと、怖かった。(中略)体は、疲れでバリバリ」[9]

「前の晩にマッサージを受けたり、最善の準備はするわけですけど、疲労は残ったままマウンドに立っていたわけですから。もちろん僕自身が意気に感じて投げさせてもらったんですけど、結果的にはそれが(翌年の肘への)手術への引き金になった」[2]pp.231~232

審判員[編集]

小林毅二

「球審は当時の審判部役員の推薦により決まり、すごくうれしかった。あの日は球場入りすると異様な雰囲気。マスコミも日本各地から集まった感じ。しかし、試合が始まると思ったほど緊張しなかったし、試合終了後、川島廣守セ・リーグ会長(当時)が審判員や記録員を食事に連れて行ってくれた」「大事な試合を無事にこなせたという充実感でいっぱいでした」[10]

「特別なゲームだからと言って、何かしないといけないというわけではない」「両チーム、ファンと同じ温度でいては、冷静な判定は決してできませんから」[11]

他球団監督等[編集]

西武ライオンズ監督 森祇晶

「(長嶋監督の巨人が日本シリーズで戦う相手となるが)並大抵の相手じゃない」[12]

脚注[編集]

  1. 『中日ドラゴンズ70年史』p.34(OBによる座談会)
  2. 2.0 2.1 鷲田康 『10.8巨人vs.中日史上最高の決戦』(文藝春秋)
  3. 澤宮優 『ドラフト1位 九人の光と影』 河出書房新社2008年 p.80 ISBN 978-4-309-27066-1
  4. 日経2007年7月29日付40面『私の履歴書』縮刷版同年7月号p.1740
  5. 日経 スポーツ25面 1994年10月縮刷版p.459 ほか
  6. 後年、自著『プロフェッショナル』 ISBN 4-583-03621-3 (p.268) で、自分の信念として
  7. 2007年刊行の『巨人軍5000勝の記憶』で、この時点の巨人監督としてのメッセージの中で(p.6 - )
  8. 2007年4月19日付読売スポーツ24面縮刷版同年4月号p.1028同率最終戦に緊急登板(2007年5月28日時点のインターネット・アーカイブ)
  9. 桑田『試練が人を磨く- 桑田真澄という生き方』扶桑社、ISBN 978-4-594-01712-5
  10. CENTRAL LEAGUE OFFICIAL WEB SITE [1]
  11. ベースボールマガジン2009年5月号 p.72 - 73
  12. 毎日新聞10月10日付 スポーツ20面 縮刷版p.384