斎藤茂吉
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日本の歌人、評論家、医師。
『赤光』
[編集]「死にたまふ母」
[編集]- 寄り添へる吾を目守りて言ひたまふ何かいひたまふわれは子なれば
- はるばると藥をもちて來しわれを目守りたまへりわれは子なれば
- 死に近き母に添寢(そひね)のしんしんと遠田(とほた)の蛙(かはづ)天に聞ゆる
- 我が母よ死にたまひゆく我が母よ我を生まし乳足(ちた)らひし母よ
- のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にゐて足乳ねの母は死にたまふなり
- わが母を焼かねばならぬ火を持てり天つ空には見るものもなし
- 山ゆゑに笹竹の子を食ひにけりははそはの母よははそはの母よ
他の歌集
[編集]- 朝あけて船より鳴れる太笛のこだまはながし竝(な)みよろふ山
- 『あらたま』
- 長崎医専教授として赴任した長崎の印象。『あらたま』の巻末歌。
- 『あらたま』
- ただひとつ惜しみて置きし白桃のゆたけきを吾は食ひおはりけり
- 『白桃』
- 最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも
- 『白き山』
- 最上川の上空にして残れるはいまだうつくしき虹の断片
- 『白き山』