釈迢空
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しゃく ちょうくう。本名は折口信夫(おりくち しのぶ)。日本文学研究者・民俗学者・詩人・作家・劇作家。
出典が明らかなもの
[編集]- 葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり
- 蜑の子や あかきそびらの盛り肉の、もり膨れつゝ、舟漕ぎにけり
- 麦うらしの声 ひさしくなきつげり。ひとつところの、をぐらくなれり
- たたかひに 果てし我が子を かへせとぞ 言ふべきときと なりやしぬらむ
- 『海やまのあひだ』1925年
- なき人の今日は七日になりぬらむ 遇ふ人もあふ人もみな旅びと
- 歳深き山の かそけさ。人をりて、まれにもの言ふ 聲きこえつゝ
- 『春のことぶれ』1930年
- 生きて我還らざらむと うたひつゝ 兵を送りて 家に入りたり
- 桜の後(のち)風荒れすぎぬ山なかは 真日ひそけくて、霜崩えの音
- 『遠やまひこ』1948年
- 彼の人の眠りは、徐かに覚めて行った。まっ黒い夜の中に、更に冷え圧するものの澱んでいるなかに、目のあいて来るのを、覚えたのである。
した した した。耳に伝うように来るのは、水の垂れる音か。- 折口信夫『死者の書』1939年