日本の諺
表示
日本ことわざを五十音順に並べています。ただし中国の古典からのものは中国の諺へ、また、 外国のものの日本語訳などは日本の諺の引用にはならないので入れていません。
あ行
[編集]あ
[編集]- 愛多ければ憎しみ至る
- 同義:可愛さ余って憎さ百倍
- 相碁井目(あいごせいもく)
- 挨拶は時の氏神 (うじがみ)
- 類似:仲裁は時の氏神
- 挨拶より円札
- 愛してみれば鼻欠けもえくぼ
- あいだてないはばば育ち
- 相手変われど主(ぬし)変わらず
- 相手のない喧嘩はできぬ
- 会うは別れの始め
- 青菜に塩
- 空樽は音が高い
- 商いは牛のよだれ
- 秋茄子(あきなす)は嫁に食わすな
- 秋の鹿は笛に寄る
- 秋の日は釣瓶(つるべ)落とし
- 空き家で声嗄らす
- 諦めは心の養生(ようじょう)
- 悪縁契り深し
- 悪妻は百年の不作
- 悪事千里を走る
- 悪事身にかえる
- 悪女の深情け
- 悪銭身に付かず
- 悪に強ければ善にも強し
- 開けて悔しき玉手箱
- 朝雨(あさあめ)女の腕まくり
- 浅い川も深く渡れ
- 朝起きは三文の徳
- 朝顔の花一時(いっとき)
- 浅瀬に仇波(あだなみ)
- 朝題目に夕念仏
- 朝の蜘蛛は福が来る、夜の蜘蛛は盗人が来る
- 麻の中の蓬(よもぎ)
- 朝日が西から出る
- 薊(あざみ)の花も一盛り
- 朝(あした)に紅顔あって夕べに白骨となる
- 朝(あした)に道を聞かば夕べに死すとも可なり
- 明日は明日の風が吹く
- 足元から鳥が立つ
- 足元に火がつく
- 頭隠して尻隠さず
- 明日のことは明日案じよ
- 頭剃るより心を剃れ
- 仇(あだ)も情けも我が身より出る
- 当たって砕けろ
- 当るも八卦当らぬも八卦
- 暑さ寒さも彼岸まで
- 暑さ忘れれば陰忘れる
- 同義:心頭を滅却すれば火もまた涼し
- 羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く
- 後の祭り
- 後は野となれ山となれ
- 痘痕(あばた)もえくぼ
- 危ない橋を渡る
- 同義:虎穴に入らずんば虎子を得ず
- 虻蜂(あぶはち)取らず
- 雨垂れ石を穿つ
- 嵐の前の静けさ
- 雨降って地固まる
- 過ちては即ち改むるに憚(はばか)ること勿れ
- 慌てる乞食はもらいが少ない
- 鮑(あわび)の界の片思い
- 案ずるより産むが易し
い
[編集]- 言いたい事は明日言え
- 言うは易く行なうは難し
- 家貧しければ良妻を思う
- 家柄より芋幹
- 怒りは敵と思え
- 意見と餅はつくほど練れる
- 石に立つ矢
- 石に布団は着せられぬ
- 石の上にも三年
- 石橋を叩いて渡る
- 医者の不養生
- いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)
- 居候三杯目にはそっと出し
- 急がば回れ
- 柴屋軒宗長の連歌から。
- 一芸は道に通ずる
- 一期一会 (井伊直弼『茶湯一會集』巻頭から)
- 一事が万事
- 一に看病 二に薬
- 一年の計は元旦にあり
- 一姫二太郎
- 一富士二鷹三茄子
- 一枚の紙にも表裏あり
- 一寸先は闇
- 一寸の虫にも五分の魂
- 一葉落ちて天下の秋を知る
- 一寸の虫にも五分の魂
- いつまでも、あると思うな親と金
- いつも柳の下にどじょうはいない
- 田舎の学問より京の昼寝
- 犬も歩けば棒に当たる
- 命あっての物種(ものだね)
- 井の中の蛙(かわず)大海を知らず
- 芋の煮えたもご存じない
- 入り鉄砲に出女 (いりてっぽうにでおんな)
- 容れ器と人はあるものを使え
- 鰯(いわし)の頭も信心から
- 言わぬが花
- 言わぬが仏
う
[編集]- 飢えに臨みて苗を植える
- 魚心あれば水心
- 牛に引かれて善光寺参り
- 氏より育ち
- 嘘から出た実(まこと)
- 嘘つきは泥棒の始まり
- 嘘も方便
- 独活(うど)の大木
- 鵜の目鷹の目
- 馬には乗ってみよ人には添うてみよ
- 馬の耳に念仏
- 生みの親より育ての親
- 瓜の蔓に茄子は成らぬ
- 噂をすれば影
- あるいは、噂をすれば影がさす
え
[編集]- 江戸っ子は五月の鯉の吹き流し
- 江戸の仇を長崎で討つ
- 海老で鯛を釣る
- 縁あれば千里
- 縁の下の力持ち
お
[編集]- 老い木に花
- 老いの一徹
- 負(お)うた子に教えられる
- 鸚鵡(おうむ)よく言えども飛鳥を離れず
- 大男総身に知恵が回りかね
- 傍目八目(おかめはちもく)
- 起きて半畳 寝て一畳 天下取っても二合半
- 押してもだめなら引いてみろ
- 落ち葉を隠すは森の中
- 男心(おとこごころ)と秋の空
- 男は度胸、女は愛嬌
- 坊主はお経 - と続けることもある。
- 学生は勉強、山では鶯ホーホケキョ - とさらに続けることもある。
- 男やもめに蛆(うじ)がわく
- 同じ釜の飯を食う
- 鬼に金棒
- 踊る阿呆に見る阿呆
- 鬼の居ぬ間に洗濯
- 鬼の目にも涙
- 鬼も十八番茶も出花
- 帯に短したすきに長し
- 溺れるものは藁(わら)をもつかむ
- 思い立ったが吉日
- 親の意見と牛の小便は長いが効かぬ
- 親の意見と冷や酒は後で効く
- 終わりよければすべてよし
- 女心(おんなごころ)と秋の空
か行
[編集]か
[編集]- 飼い犬に手を噛まれる
- 灰燼(かいじん)に帰す
- 快刀乱麻を断つ
- 蛙の面(つら)に水
- 顔に泥を塗る
- 柿は乞食に剥かせよ瓜は殿様に剥かせよ
- 火事と喧嘩は江戸の華
- 火事場の馬鹿力
- 風が吹けば桶屋が儲かる
- 風と女は閉じ込められない
- 風の中で育った木は根が強い
- 火中の栗を拾う
- 勝って兜の緒を締めよ
- 河童の川流れ
- 金の切れ目が縁の切れ目
- 金持ち喧嘩せず
- 禍福は糾(あざな)える縄の如し
- 壁に耳あり障子に目あり
- 果報は寝て待て
- 亀の甲より年の功
- 鴨が葱を背負って来る
- 烏(からす)の行水
- 枯れ木も山の賑わい
- 彼も人なりわれも人なり
- 可愛い(かわいい)子には旅をさせよ
- 堪忍袋の緒が切れる
き
[編集]- 聞いて極楽見て地獄
- 聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥
- 昨日の敵は今日の友
- 兄弟は他人の始まり
- 京に田舎あり
- 京の着倒れ、大阪の食い倒れ、江戸の呑み倒れ
- 器用貧乏
- 清水の舞台から飛び降りる
- 木を見て森を見ず
く
[編集]- 食うだけなら犬でも食う
- 臭い物にふたをする
- 腐っても鯛
- 口は災いの元
- 口は災いの門
- 口も八丁、手も八丁
- 苦しい時の神頼み
- 紅は園生に植えても隠れなし
- 君子危うきに近寄らず
- 来るものは拒まず去るものは追わず
け
[編集]- 芸が身を助けるほどの不仕合せ
- 芸は身を助ける(芸は身を助く)
- 下戸の建てたる倉も無し
- 下衆の後知恵
- 下種の逆恨み
こ
[編集]- 恋に上下の隔てなし
- 恋に師匠無し
- 郷に入っては郷に従え
- 後悔先に立たず
- 弘法にも筆の誤り
- 弘法筆を選ばず
- 紺屋の白袴
- 小姑鬼千匹
- 子は鎹(かすがい)
- 困った時の神頼み
- 田作の歯ぎしり(ごまめのはぎしり)
- 転ばぬ先の杖
- 転んでもただでは起きない
さ行
[編集]さ
[編集]- 才子、才に倒れる
- 策士、策におぼれる
- 酒一杯にして人酒を飲み、酒二杯にして酒酒を飲み、酒三杯にして酒人を飲む
- 酒が酒を飲む・酒酒を飲む
- 酒三杯は身の薬
- 酒はほろ酔い、花はつぼみ
- 酒は詩を釣る色を釣る
- 酒は飲むべし、飲まるるべからず
- 酒は礼に始まって乱に終わる
- 匙を投げる
- 猿も木から落ちる
- 去る者は日々に疎し
- 触らぬ神に祟りなし
- 三尺下れば水清し
- 山椒は小粒でもぴりりと辛い
- 三人寄れば文殊の知恵
し
[編集]- 四海波静か (謡曲『高砂』から)
- 四角い部屋を丸く掃く
- 自画自賛
- 鹿を追う者は山を見ず
- 自業自得
- 地獄の沙汰も金次第
- 地獄耳
- 地震、雷、火事、親父
- 児孫の為に美田を買はず
- 七転八倒
- 死人に口なし
- 釈迦に説法
- 十年一日
- 十年一昔
- 重箱の隅を楊枝で穿る
- 十人十色
- 正直者は馬鹿を見る
- 小事は大事
- 上手の手から水が漏れる
- 知らぬが仏
- 白羽の矢が立つ
- 沈香も焚かず屁も放らず
す
[編集]- 水火も辞せず
- 好きこそものの上手なれ
- 雀(すずめ)百まで踊り忘れず
- 捨てる神あれば拾う神あり
- 住めば都
- するのは失敗何もしないのは大失敗
- 起きて半畳、寝て一畳
- 髄の奥から天井をのぞく
- すずめの涙
せ
[編集]- 急いては事を仕損じる
- 生は易く死は難し
- 背に腹は代えられぬ
- 千丈の堤も螻蟻の穴を以て潰ゆ
- 船頭多くして船山に登る
- 千日の旱魃に一日の洪水
- 千人の諾諾は一士の諤諤に如かず
- 前人の植えた樹
- 善は急げ
- 千里の道も一歩から
そ
[編集]- そうは問屋が卸さない
- 育ての親より生みの親
- 袖すり(振り、触れ、とも)合うも多生の縁
- 備えあれば憂いなし
た行
[編集]た
[編集]- 大海の一滴
- 大事の前の小事
- 大は小を兼ねる
- 宝の持ち腐れ
- 多芸は無芸
- 竹を割った様
- 畳と女房は新しい方が良い
- 多多益々弁ず
- 立っている者は親でも使え
- 立つ鳥跡を濁さず
- 立て板に水
- 蓼(たで)食う虫も好きずき
- 立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合(ゆり)の花
- 棚からぼた餅
- 狸が人に化かされる
- 旅の恥はかき捨て
- 旅は道連れ世は情け
- 短気は損気
ち
[編集]つ
[編集]- ついた餅より心持ち
- 月と鼈(すっぽん)
- 月夜に釜を抜かれる
- 角を矯(た)めて牛を殺す
- 罪を憎んで、人を憎まず
- 古之聽訟者 惡其意 不惡其人 - 孔鮒(孔子の子孫九代目)『孔叢子』(刑法論の書)中の孔子の言葉
- 意訳 いにしえの裁判官は、犯罪者の犯意を悪として裁くのである- これは、罪を犯す意思がない行為を罰しないという現代の刑法と同様の考えである。
て
[編集]- 亭主の好きな赤烏帽子
- 敵に塩を送る
- 敵を見て矢をはぐ
- 木偶(でく)の坊
- 鉄は熱いうちに打て
- 出る杭は打たれる
- 手を拱く (こまぬく、こまねくとも)
- 天は二物を与えず
- 天網恢恢疎にして漏らさず
と
[編集]- 灯台下(もと)暗し
- 同病相憐れむ
- 豆腐に鎹(かすがい)
- 糠に釘 と続けることもある。
- 同類相哀れむ
- 遠くの親類より近くの他人
- 所変われば品変わる
- 年上の嫁は金の草鞋を履いて探せ
- 年寄りの冷や水
- 飛ぶ鳥跡を濁さず
- 「立つ鳥跡を濁さず」の変形。近年みる形で古いものではない。
- 飛ぶ鳥を落とす勢い
- 捕らぬ狸の皮算用
- 虎の威を借る狐
- 虎は死して皮を残す(「人は死して名を残す」と続けることもある)
- 取り付く島も無い
- 泥棒にも三分の理あり
- 泥棒を捕らえて縄をなう
- (略)泥縄
- どんぐりの背比べ
- 飛んで火に入る夏の虫
な行
[編集]な
[編集]- 無い袖は振れぬ
- 泣き面に蜂
- 泣く子と地頭には勝てぬ
- 泣く子は育つ
- 無くて七癖
- 情けは人の為ならず
- 為せば成る
- 上杉鷹山が家臣に示した和歌から
- 夏の雨は、馬の背を分ける
- 七転び八起き
- 難波の葦は伊勢の浜荻
- 名は体を表す
- 怠け者の節句働き
- 生兵法は大怪我のもと
- ならぬ堪忍するが堪忍
に
[編集]- 煮え湯を飲まされる
- 二階から目薬
- 逃がした魚は大きい
- 憎まれっ子世にはばかる
- 日光を見ずして「結構」と言う勿れ
- 二度あることは三度ある
- 二兎を追う者は一兎をも得ず
- 女房と畳は新しいほどよい
- 鶏は三歩歩くと忘れる
ぬ
[編集]- 糠(ぬか)に釘
- 盗人に追い銭
- 盗人にも三分の理
- 濡れ手に粟(あわ)
- の掴みどり - と続けることもある。
ね
[編集]の
[編集]- 能ある鷹は爪を隠す
- 残り物には福がある
- 喉元過ぎれば熱さを忘れる
- 暖簾に腕押し
は行
[編集]は
[編集]ひ
[編集]- 引かれ者の小唄
- 人の噂も七十五日
- 人の口に戸は立てられぬ
- 人の振り見て我が振り直せ
- 一人口は食えぬが二人口は食える
- 人を呪わば穴二つ
- 人を見たら泥棒と思え
- 火に油を注ぐ
- 火のない所に煙は立たない(火のないところに煙は立たぬ)
- 百聞は一見に如かず
- 冷や飯を食わせる
- 瓢箪(ひょうたん)から駒
- 火を見るより明らか
ふ
[編集]- 風前のともし火 (『座禅三昧経』から)
- 夫婦喧嘩は犬も食わぬ
- 笛吹けど踊らず
- 覆水盆に返らず
- 武士に二言はない
- 武士の情け
- 武士は相身互い
- 武士は食わねど高楊枝
- 豚に真珠
- 豚もおだてりゃ木に登る
- 袋のねずみ
へ
[編集]ほ
[編集]- 坊主憎けりゃ袈裟まで憎い
- 臍(ほぞ)を固める
- 仏作って魂入れず
- 仏の顔も三度まで
- 法論はいずれが負けても釈迦の恥
ま行
[編集]ま
[編集]- 蒔かぬ種は生えぬ
- 枕を高くして寝る
- 負け犬の遠吠え
- 負けるが勝ち
- 馬子にも衣装
- 歌舞伎から
- 待てば海路の日和あり
- 丸い卵も切りよで四角
み
[編集]- ミイラ取りがミイラになる
- 水の泡となる
- 三日坊主
- 三つ子の魂百まで
- 実るほど頭を垂れる稲穂かな
- 詠み人知らずの俳句。
- 耳に胼胝(タコ)ができる
- 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
- 空也の作とされる和歌から。
- 身から出た錆
む
[編集]- 昔取った杵柄 (きねづか)
- 虫のいい
- 虫の居所(いどころ)が悪い
- 虫の知らせ
- 娘十八番茶も出ばな
- 鬼の娘も色気づく - と続けて、都々逸の形式にされることもある。
- 無理が通れば道理が引っ込む
- 無理は三度
- 虫も殺さぬいい男
め
[編集]- 明鏡も裏を照らさず
- 名物に美味いものなし
- 芽が出る
- 目くそ鼻くそを笑う
- 目は口ほどにものを言う
- 目が天
も
[編集]- 餅は乞食に焼かせよ魚は殿様に焼かせよ
- 餅は餅屋
- 本木(もとき。幹のこと)に勝る末木(うらき。枝のこと)無し
- 物は試し
- 桃栗三年柿八年
- ゆずは九年でなりかかり 梅は酸いとて十三年 - と続けることもある。
- 門前市をなす
- 門前の小僧習わぬ経を読む
や行
[編集]や
[編集]- 焼き餅焼くとて手を焼くな
- 焼け石に水
- 焼木杙(やけぼっくい)に火がつく
- 安物買いの銭失い
- 柳の下にいつも泥鰌(どじょう)はいない
- 薮から棒
- 薮をつついて蛇を出す
- (略)薮蛇
- 病は気から
- 山より大きな猪(しし)は出ぬ
- 闇夜に提灯
- 闇夜に鉄砲
- 闇夜の烏
- 焼けぼっ杭に火がつく
- やらぬ善よりやる偽善
ゆ
[編集]- 油断大敵
よ
[編集]- 宵越しの金は持たぬ
- 横槍を入れる
- 葦の髄から天井のぞく
- 夜目遠目傘の内
- 寄らば大樹の陰
- 弱り目に祟り目
ら行
[編集]ら
[編集]- 来年の事を言えば鬼が笑う
- 楽あれば苦あり
- 楽は苦の種 苦は楽の種
り
[編集]- 良薬は口に苦し
る
[編集]れ
[編集]- 礼も過ぎれば無礼
- 廉士は人を恥じしめず
ろ
[編集]- 老少不定 (ろうしょうふじょう)
- 六十の手習い
- 論語読みの論語知らず
- 論より証拠
- ローマは一日にして成らず
わ行
[編集]わ
[編集]- わざわい転じて福となす
- 渡る世間に鬼はなし
- 笑う門には福来る
- 藁千本あっても柱にはならぬ
- 割れ鍋に綴(と)じ蓋(ぶた)
- 我はして人のぼらけは嫌う
- わわしい女は夫を食う